キャベツのいちばん外側のかき揚げ/リトル・フォレスト

胃のためにあいかわらずなるべくキャベツ生活です。キャベツのいちばん外側の2〜3枚って、ちょっと硬いし土臭いのですが、かき揚げにして食べるのがおいしいと、「リトル・フォレスト」に書いてありました。

リトル・フォレスト(1) (ワイドKC アフタヌーン)

リトル・フォレスト(1) (ワイドKC アフタヌーン)

以前わたしがつくったかき揚げ

かき揚げと蕎麦と山菜の天ぷら

ただ、せっかくキャベツが胃にやさしくても、揚げ物は胃にやさしくないのがジレンマです。
リトル・フォレスト(2) (ワイドKC アフタヌーン)

リトル・フォレスト(2) (ワイドKC アフタヌーン)

「リトル・フォレスト」は、山村出身の女の子が自分の村にもどっていろいろ迷いながらも畑仕事をする話で、農作物の栽培のこと、収穫したものをおいしくいただくことの勉強になります。ほんとうに詳細に、農業の喜びとともに大変さも描いてあるので、これを読むと逆に田園生活は「自分には無理だ」って気持ちになり、にわか農業で失敗する人を減らせていいんじゃないかと思う。半端な気持ちじゃ農業はできませんよね、きっと。
グリーンライフを夢みて田園へ行き現実を知って閉塞する、という話で好きなのは大島弓子の「青い 固い 渋い」です。
これに入ってます。
ロストハウス (白泉社文庫)

ロストハウス (白泉社文庫)

都会の左寄りインテリ少女・ちーちゃんが恋人とともに田舎へ行き、農業も人付き合いも失敗するものがたり。ちーちゃんがとにかくかわいくないのですが、荒れるちーちゃんをなだめようと「結婚しよう」と言った恋人にブチ切れてちゃぶ台返して「結婚しようは別れのことばよりひどい」とか言ってわんわん泣くあたり、かわいくないけど憎めない。

あと、これ

田園の憂鬱 (新潮文庫)

田園の憂鬱 (新潮文庫)

都会の生活に疲弊して田園に行って近所の人たちからの干渉でさらに疲弊する話。農村の人付き合いに苦労するという点では「青い 固い 渋い」と共通しています。農作業はしないけど。
文章がとにかく美しいと思いました。「水を汲み上げようと縄つるべを持ち上げたが、ふと底を覗き込むと、其処には涯知らぬ蒼穹を径三尺の円に区切って、底知れぬ瑠璃を平静にのべて、井戸水はそれ自身が内部から光り透きとおるもののようにさえ見えた。彼はつるべを落す手を躊躇せずにはいられない。それを覗き込んでいるうちに、彼の気分は井戸水のように落ち着いた。汲み上げた水は、寧ろ、連日の雨に濁っていたけれども、彼の静かな気分はそれ位を恕すには十分であった。」