大根のローマ風/イッツ・オンリー・トーク
絲山秋子さんのデビュー作。「誰とでもしてしまう」主人公優子と、男たち(EDの議員・鬱病のヤクザ・元ヒモのボランティア・痴漢)との、「関係のない遠い星を結んで出来た星座」のような関係のはなし。
- 作者: 絲山秋子
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2006/05
- メディア: 文庫
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これを、「ロバート・フリップがつべこべとギターを弾き」と絲山秋子さんは書いている。「つべこべ」、なるほど。
文庫版に併録されている「第七障害」にでてくる「大根のローマ風」をつくりました。鶏と大根の相性は最高ですよね。和食の鶏大根もいいけど、洋風でもおいしいです。
■■大根のローマ風
◎材料
・鶏肉(手羽元か手羽先)
・大根
・水煮トマト
・赤ワイン
工程は小説から引用。
「鶏の骨付き肉をオリーブオイルで焼きます。
肉が焼けたらトマトソースとハーブと赤ワインと大根を入れて二時間煮ます。」
名文家はレシピも簡潔でわかりやすいです。
絲山秋子さん好きすぎて、読んでない作品がなくならないよう、ちょっとずつしか読めません。『妻の超然』読みたい。けど、まだ我慢。
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*イッツ・オンリー・トークのラストシーン、友人の墓参りに行く主人公。
「「理香、いろいろあるけれどなんとか私は生きてるよ。これからも見守ってください。」月並みだ。しかし月並みなこと意外に何を死者と話せばいいのだろう。選挙やセックスの話は死者にはそぐわない。「なんかさ、みんないなくなっちゃって。」取り戻せるものなどなにもない。死者は答えない。」
むねをえぐられる、美しい情景ですが、「私は振り返らずに車に戻る。エンジンをかける。今日もクリムゾンだ。」 優子は、絲山さんは、強いな。わたしは振り返ってばかりです。