出産記録

出産報告にたくさんのお星さまをいただき、ありがとうございました!
娘もわたしも元気に実家でぬくぬくしています。

胎内にいたとき、エコーでみるたび右手を顔にもっていって「文豪ポーズ」をきどっていた娘ですが、外にでてきてからも右手が袖から抜け出して顔のあたりにあることが多いです。

文豪というより用心棒。

用心棒<普及版> [DVD]

用心棒<普及版> [DVD]

↓2分めあたりからの音楽がえらくかっこよくて大好きです。



せっかくなので出産時の記録を書きました。これから出産される方の参考になれば幸です。

1月31日 陣痛がこなかったので予定通り病院へ行き、入院。夕方、子宮口をひろげるためにバルーンをいれることになっていたのですが、子宮口がひらいてなさすぎてバルーンが入らず、なにか、棒?を8本くらい?入れられました。ルミナリエと空耳していましたが、あとで調べたら「ラミナリア」というそうです。
その日はそのまま寝て、翌朝7時から陣痛促進剤をいれますよ、と言われ就寝・・しようとしたところ、陣痛室のほうから叫び声が。「キエェェーー」「ヒョワアァーー!」など、かなり激しい。絶叫マシンの順番待ちのような気分。落ち着かず耐えかねて売店へ行き、なぜかお菓子を大量に動揺買い。同室の経産婦さんになぐさめ励まされ、なんとか気持ちを落ち着けて就寝。
2月1日 深夜3時 陣痛らしきお腹の張りと痛みが。1時間ほどベッドで様子をみていたところ、どうも間隔が一定なようなので、看護師さんに伝え、陣痛室へ移動。内診をうけ、子宮口もひらいてきたということで、棒をとりだしてバルーンを挿入。
お腹にモニターを装着、だんだん強くなる痛みに耐える。
朝7時 すでにかなり痛いのに、促進剤の点滴を開始すると告げられる。心が折れそうになり、電話で主人を呼び出す。
到着した主人に見守られつつ、痛みの合間に朝食をかっこむ。主人、ひとまず仕事へいかねばならないとのことで、早くても18時までは戻ってこれないという。立会いは無理だろうなあと思いつつ、送り出す。
ひたすら痛みに耐える。泣いたり怒りがこみ上げてきたり。助産師さんが励ましてくださる。
泉谷しげるの「春夏秋冬」は予想に反して脳内再生されず。かわりに、なぜかYUKIの曲がつぎつぎ頭の中を流れる。

痛みの間隔が3〜5分ほどになり、うなり声が出てしまうほど痛みも加速。無理無理、もう無理、と思っていたお昼ごろ、姉が到着。力強く腰をさすってくれる。
12時頃? 破水。姉が先生を呼んでくれ、内診されたところ子宮口は9センチくらい、でも頭がおりていてないとかで、促進剤をさらに投与される。
このあたりから理性がふっとぶ。人間でなくなる。陣痛がくるたび全身が震える。会いたくて会いたくて震える(西野カナ)、とか思うひまもなく、憑りつかれた人のように叫びながらガクガク、全身汗びっしょり。たまにオエーと吐く。  姉から連絡をうけた母も到着し、にぎやかしてくれる。
13時頃 やっと赤ちゃんもおりてきて、分娩室へ。痛みの隙をついて、生まれたての小鹿よろしくプルプルしながら、先生にしがみついて移動。
分娩台に上がった瞬間、一気に頭がクリアに。前日に友だちがくれたメール「がんばっていきむと早く終わるらしいよ」と、母が兄を出産したときのエピソード「いきむのを途中で休んじゃったら、あたまがひょうたんになってしまった」を思い出し、「ノーモアひょうたん!一気に出す!!」と、やる気がみなぎる。
2〜3回いきんでたら、まさかの主人到着。
いきみつつ、「あ、あさって絶対、全身筋肉痛だな・・」という冷静な判断が頭をよぎる。
5〜6回目くらいで、頭が出たらしい。次で全部だすよー、と言われ、なけなしの力をふりしぼって最後のひとふんばり。
13時55分 ほんげーほんげーと聞こえて、赤ちゃん誕生。
意外とデカイ。あんなに大きな、複雑なかたちをした生きものがほんとに入ってたのか、そして出てきたのか、と思うと、ただただ仰天。
抱っこさせてもらう。はー、こんな顔してたのね。どうぞよろしく。
いろいろ後処置をしていただき(胎盤を出し切るためにお腹を押されるのが、噂どおり痛かったです。縫合も痛くて怖かったです。)、分娩台で2時間ほど休み、車椅子で病室に戻りました。
出産直後は、ほんとうに指1本動かせないほど全身の力を使い切っていました。おもえば脱力しまくって生きてきた30年間。体育の授業もギリギリの日数までサボっていたわたし。こんなに全身の筋肉を余すところなくつかったのは初めでした。翌日は案の定全身筋肉痛で、翌々日は顎まで痛み出すしまつ。
あと、いきなりポジションが変わったわたしの肺や胃が戸惑ったのか、出産後は丸1日くらい呼吸がしづらく、吐き気が続き、手に力が入らないこともあり、食事がうまくできませんでした。

よく、出産の痛みはすぐ忘れる、といいますが、私はそうは思わない(佐野洋子)。忘れられないです、ていうか、「痛い」って言葉じゃおさまらない気がする。あの痛みを表現する新しい形容詞が欲しいです。
しかし、「自分の子はかわいい」って、ほんとうなんですね。正直言ってこどもが苦手だったわたし(と主人)が、こんなにかわいがれるんですから、驚きです。

これから出産される方、ほんとうに、がんばってください。
さいごに、娘のサービスショットを。

沐浴中や授乳中の赤ちゃんの満足顔って、なんでもれなく変顔なんでしょうね。