天才じゃない子どもを見守る
小学生になった娘が「歌手になる!」って言っていたらあたたかく見守りますが、30過ぎた娘が「バンドで食っていく!」と言ってフリーターやっていたらあたたかく見守れるかなあ、どうかなあ、などと考えています。
子どもの「しょうらいのゆめ」、というのはキラキラしたものですが、ゆめが叶わなくても(多くの人の夢は実現しないですよね)日々を楽しめる力を身につけて欲しい、生きることを諦めてしまわぬよ〜う〜に〜♪(天使たちのシーン)などと思うのです。
- 作者: 南 Q太
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2011/03/23
- メディア: コミック
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将棋マンガは、『三月のライオン』や『ハチワンダイバー』なども人気で、わたしも大好きですが、天才ばかり出てくるというか、第一線で闘う人たちの真剣な物語なので、ハラハラしすぎて読んでいてちょっと疲れてしまいます。
そもそも、なにかひとつのジャンルを題材とする作品は、それがスポーツであれ音楽等の芸術であれ、主人公はたいてい天才であり、プロを目指すという話がほとんどで、まあ、そうじゃないとものがたりにならないので仕方ないのだと思いますが、その点、『ひらけ駒!』は、「天才ではない主人公」が、習い事として真剣に将棋にうちこみ*1、とにかく楽しんで将棋にとりくむ姿を描くという、希有な作品です。そんなふわふわしたストーリーをしっかりものがたりにしている南さんが天才だと思います。
3巻に、いろんな習い事(野球、バレエ、楽器、塾)に通う子どもたちの姿を描いたカットがあるのですが、その数コマで涙がでました。子どもが夢中になる、その姿の尊さと、それを見守る親のまなざしのあたたかさにあふれていて、胸がいっぱいになります。
また、このマンガには、「成長する少年」だけでなく、すでに第一線で活躍している女流棋士キャラも登場します。これが絶妙で素晴らしいキャラクターばかりです。残酷な美人、顔も性格も醜いけれど愛すべきブス、温厚そうに見えて気性の激しいぽっちゃり女性などなど・・・南Q太の描く女性は生き生きしているというより生々しくて、わたしは大好きです。
そして、主人公の母親にとてもシンパシーを感じました。 将棋は弱く、ミーハーに将棋観戦を楽しみ、郷田棋王のむかしの写真をみて「ええ?!イケメン!!」と衝撃を受け、日々飲酒する・・ もう、これ、わたしじゃない?ってくらいのシンクロ率です。
ママが休日にオニオンリングをつくり、衣につかったビールの残りを昼間から嬉々として飲むすがたが大変うらやましかったので、わたしもつくりました。
↓このレシピを参考にしましたが、これ、ほんとうにカリっと揚がってとても美味しいです!
かりかりっ!味付きオニオンリング by なち・おいしい [クックパッド] 簡単おいしいみんなのレシピが183万品
南Q太さんといえば、これ
- 作者: 枡野浩一
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2006/10/31
- メディア: 単行本
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ただ、わたしは枡野浩一さんの 「結婚はめでたいことだ 臨終はかなしいことだ まちがえるなよ」という短歌は大好きです。