誕生日

明日で41週ですが、今日までけっきょく陣痛はきませんでした。
誘発分娩に抵抗はないのですが、できれば主人がいる週末に出てきた欲しかったこともあり、金曜から土曜にかけて、ちまたで陣痛がくるといわれている方法をいくつか試しました。
①焼肉
金曜日に近所の焼肉店にて。店内に「お誕生日の前後10日は10%OFF!」と書いてあって、お腹の子は確実に10日以内に誕生の日をむかえるから安くしてくれないかな〜とか思いましたが、言いだす勇気はありませんでした。出生と権利の議論があたまをめぐったり。http://ja.wikipedia.org/wiki/人の始期
おともだちのお母さんは、お好み焼きと焼きそばを食べたら陣痛がきたらしいので、土曜日はお好み焼きに行きました。両方とも効果はなかったわけですが、おいしかったので良しとします。


②雑巾がけ
これから入院なので、いずれにせよ掃除はしておいて正解だったと思います。


レッチリを聴かせる
友人が、Mステでレッチリを観ていたらその晩に陣痛がきた、というエピソードを思い出し、ためしにかけてみました。

コメントに「Anthony is the sexiest man alive」とあったので、ほう、これが世界基準のセクシーか、と思い、「ほら、外の世界にはこんなにセクシーな男性がいるよ、出ておいでー」と話しかけてみましたが、効果無し。どうも、わたしと同じで濃い顔のマッチョには興味ないのかもしれません。


④外の世界の良さを伝える
出てきたらこんなに楽しいよ〜と話しかけました。ただ、わたしひとりだと、なんだかだんだん自信がなくなってきて、「とはいえ、哀しいことや面倒くさいこともたくさんあるんだけどね・・」となってしまったので、周囲の人の意見もきいてみました。海とかキャンプとか、シルバニアファミリーとか。大人になったらビールがうまいよとか。あと、お布団で寝るのは幸せだよ、猫はかわいいよ、など。主人の意見は「カレーがうまいよ」でした。
効果はなかったとはいえ、子どもの頃に楽しかったことや、いまハッピーだと思えていることをみんなであれやこれや思い浮かべて愉快なひとときを過ごせたので良しとします。

また、お腹の子がカトリーヌ・ドヌーヴもしくは佐々木希級の美女と想定して甘くささやいたりもしてみました。(「わたしのお母さんがわたしにしてくれたように、わたしも「たまにウザい」ってくらい、きみの世話をやくよ、たくさん助けるよ」「おいしいご飯もつくるよ」等々。)が、効果ありませんでした。

まあ、わたしのお腹にこんな美女が入っているとはとうてい思えないので、気合いが足りなかったぶん響かなかったのかもしれません。


なんだか芥川竜之介の「河童」を思い出してしまいます。

河童 (集英社文庫)

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が、わたしもおなかの子もは河童ではないので、人為的な方法をとってでも出てきてもらわないと。
そんなわけで、今晩も陣痛がこなければ、明日入院し、誘発分娩してきます。お産は本当にそれぞれのことだと思うので、どんな方法と経過であれ、産まれてくる子とわたし自身の健康に問題がなく終わればそれでいいと思っています。
↓興味深い記事です。
「自然なお産」が「不自然」である7つの理由 - kobeniの日記

(ちなみに、つわり真っ最中の野菜をみるだけて吐きそうになっていた時期に、主人の実家から畑でとれた野菜が大量に送られてきたとき、さすがに泣きそうになったわたしは、この記事を読んで笑顔をとりもどせました。「お義母さま、「ニシンのパイ」はビミョウです」kobeniの日記



むかしダス●ンでバイトしていたとき、主婦のみなさんが「お産が軽いと、手のかかる赤ちゃんが出てくるのよ、難産だと、コロっと眠ってくれるような扱いやすい赤ちゃんが出てくるの、プラスマイナスゼロなのよ〜」と言っていたので、難産でもいいかな〜とか思っているのですが、それを主人に言ったところ、焼肉といい、なんでそういうジンクスみたいな根拠のない話ばっかりあるんだ、と。
それはやっぱり、妊娠・出産は女性しかできないからだと思います。男性が自分たちも経験できれば、もっと合理的に科学的になる部分も多いと思うんですが、妊娠はジンクスやおまじない、思い込み渦巻く「女の世界」だなーと思います。
つわりがひどかった時は、女だけがこんな大変な思いをするなんて不公平だ!なぜだ!男も苦しめ!!男も妊娠しろよ、シュワちゃん見習えよ!

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などと憤っていたわたしですが、貴重な経験ができてよかったですと今なら言えます(が、つわり渦中の自分にそれを言いに行く勇気はありません。だって辛かったですよ、ほんとうに・・)


学生時代から、大事な発表の準備が終わる日や論文を提出するなど節目のときに必ずわたしの頭の中をこの曲がループするんですが

べつに好きな曲じゃないのに・・いや、名曲ではあると思うのですが、なんていうか、呪いか?ってくらい、毎回ループし続けるので。それだけ強い力がある曲ってことですよね。なので、分娩の最中もこの曲が流れてしまうんじゃないかという気がします。
「今日ですべてがむくわれる 今日ですべてが始まるさ」いやー、名曲だ。


上のブログにリンクしてあったのですが、
http://www.fuchu-hp.fuchu.tokyo.jp/medical/sanka02.html
「お産では死なないもの」という「神話」が産んだ「産科医療崩壊」・・・ドキっとしました。わたしも死なないものと思い込んでました、ごめんなさい。そういう慢心が地方の産科医不足にわずかでも間接的に影響しているとしたら反省すべきかもしれません。だからといってわたしは「万一のこと」を案じているわけではありませんが、(現代の日本では出産時の母体死亡は「2万人に1人」だそうです。ちなみに「世界の平均では250人に1人」「日本でも50年前には、250人に1人」)安全な施設で現代医療の恩恵を受けて出産できることに感謝しつつ、お医者さんを信用して、こちらも気を引き締めてのぞみたいと思います。